INTERVIER

先輩インタビュー

竪道 智昭写真
入社10年

T.T

入社のきっかけは?

前職では木材の流通商社に勤務していましたが、書面上でやりとりをするデスクワークが中心でした。しかし、直接木材に触れる仕事がしたいと思い退職。技術を一から教わるために、「初心者歓迎」の当社へ就職しました。

仕事内容を教えてください。

入社後は、役目を終えた樽を解体する作業からスタート。始めからいきなり樽を作る仕事ができるわけではありませんが、体を動かすことが単純に気持ち良かったことを覚えています。

その後は木材を削って側板に加工し、選別する作業を数年間行いました。木を見極める技術が必要な、大切な工程です。最初のうちは見分けにも時間がかかっていましたが、経験を積むうちに選別のスピードも精度も上がってきます。 最近では、海外から輸入した樽を使えるものと修理するものに選別する作業を行っています。しかし、選別の判断は非常に難しく、まだまだ勉強が必要だと感じる日々。ベテランになると判断理由が明確に分かり、将来の漏れのリスクまで見通して選別することもできるようになります。当社のベテラン職人が大きな樽を自分の体のように扱っている姿を見ると感嘆しますね。

仕事のやりがいは?

新しい知識を得ること自体が楽しいし、何より、自分が選別して加工した材料が最終的に樽として完成するのを目の当たりにすると、達成感を感じます。また、海外製の樽より当社で作った樽のほうが漏れないという評価を聞くと、「自分の選別が効いていたんだ」とうれしくなりますね。 サントリーのセラーを管理する方々から、アドバイスを求められることもあります。樽の実験時には、ホワイトオークで造る洋樽とミズナラで造る和樽の違いを説明し、品質の向上に貢献できたのではないかと思います。時には、サントリーの方が「あの時の新樽が、このウイスキーの銘柄に使われていますよ」などと教えてくれることも。日々扱っている樽が、世界中で飲まれているウイスキーを生んでいると実感し、誇らしくなる瞬間です。

今後の目標は?

現場での作業は後輩に引き継ぎ、私の業務は現場管理や事務作業へとシフトしつつあります。特に力を入れているのが作業改善です。作業にかかるリフト台数や作業人数を減らしたり、新しい作業ルールを設けたり、安全対策を施したり。現場を何年も経験してきた目で見るからこそ、できることがあると実感しています。同時に、現場に指示を出す立場になって初めて、人と深く関わることの大切さを知りました。以前は人の事情に踏み込むことに抵抗がありましたが、後輩たちのやる気を引き出すためには踏み込んで話をすることも必要。現場で顔を見れば声かけもするようになり、そう意識していることに自分でも驚いています。今は、現場からの声を吸い上げながら、現場の職人がやりがいを持って安全に働ける環境をつくることが私の目標です。

徳田 匠写真
製造部 入社2年

T.T

入社の決め手は?

大学では法学部に在籍していたので、周りには公務員を目指す友達が多く、自分も漠然と公務員になると考えていました。しかし就職活動をする間に「興味を持てることに携わるほうがやりがいを持てるのでは」と考えるように。そこで、当時から好きだったウイスキーに関わる職を調べ、この仕事に行き着きました。数字で利益を追う仕事より、自分の仕事が目に見えて残るほうが向いていると思ったことが入社の決め手です。また、樽職人という希少性にも惹かれました。

仕事内容を教えてください。

現在は、材料加工を主に行なっています。「こうすれば正解」というフォーマットがないので、最初のうちは何度も失敗しました。もちろん最初は先輩から教育を受けるのですが、実際にやってみると全く違った難しさがあり、試行錯誤の繰り返しでした。特に木材の選別では苦労しました。樽の材料としてふさわしい木かどうかを、木目ではなく組織的な流れを見て判断するのですが、最初の半年ほどはこれが見え辛く一本一本見え方も違うので判断するにも時間がかかりました。ところが不思議なことに、ある時を境にふと「見える」ようになる感覚がありました。先輩にもその感覚があったそうで、自分自身でもスキルアップできたと実感できた瞬間でした。

仕事のやりがいは?

経験しながら学び、自ら成長していくところです。一連の流れをなぞればできるような仕事なら、きっとここには就職していません。この2年間の経験で、木材を乾燥させ含水率を落として加工できる状態に仕上げ、削り、選別する、という材料加工の一連の流れを掴めるようになったことは、自分の大きな成長です。今の目標は、この作業場の一連の流れを任せてもらうことです。 去年の夏には、研修も兼ねて社員旅行でサントリーの山崎蒸溜所に行き、世界的なコンペティションで金賞を受賞したウイスキーをご馳走になりました。世界で評価されているウイスキーづくりに自分も携わっていることを実感できて、うれしかったです。

会社の魅力を教えてください。

風通しのよい社風で、言いたいことは言い合える職場です。作業改善では、みんなで意見を出し合い、新しい取り組みも積極的に採用しながらよりよい方向へ進もうという雰囲気があります。 特殊な仕事なので、注目されることが多いのも特徴の一つです。最近ではビーム・サントリー社の社員が海外から視察に来られるなど、さまざまな職種の方に興味を持っていただいています。職人としての技術向上はもちろんですが、今後は新しい仕掛けも考えて、この仕事の魅力、そして近江クーパレジという会社の魅力をより多くの人に知ってもらいたいです。

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